新刊『にっぽん味噌蔵めぐり』の発売を記念したトークイベント「あなたの知らない味噌の世界」が2024年7月26日に東京・台東区の透明書店で開催されました。当日は、著者の岩木みさきさんが本に書ききれなかったという味噌蔵探訪の裏話、明日から使える味噌知識などのトークに加え、味噌のテイスティングも楽しむ盛りだくさんの2時間に。
ディープな味噌の世界を垣間見たイベントの様子を、広報宣伝担当カモメのるーがレポートします! イベント当日、「透明」という不思議な店名にワクワクしながら、蔵前駅近くにある透明書店へ向かうと、そこにはビルの1階。クラゲの看板がるーを迎えてくれました。入り口のガラス戸から店内をのぞくと、すでに参加者の姿が。新刊『にっぽん味噌蔵めぐり』の著者で登壇者の岩木みさきさんと、透明書店のスタッフさんがスクリーンの前でスタンバイしています。オンラインで参加している人たちへの最終チェックも完了し、いよいよ本番がスタート。岩木さんがこれまでの歩みから丁寧に話してくれました。
岩木さんと、進行役を務めた透明書店のスタッフ・高場理人さん(右)
この日はライブ配信もあり、全国各地から本イベントに参加してくれました
岩木さんが料理家として、日本の代表的な調味料・味噌を極めようと味噌蔵めぐりを始めたのは8年前。当時は蔵元に見学をさせてもらおうと問い合わせても「どこの誰?」「いったい何をしに来るの?」と不思議がられ、アポイントすらなかなか取れなかったと言います。しかし諦めることなく、持ち前の行動力で体当たりの味噌取材を続行。ときには5回の電話攻撃の末に訪問の約束を取り付けたことも。そんな岩木さんの情熱を受け止め、味噌について教えてくれたり、交通の便を心配して送り迎えをしてくれたりした味噌蔵の皆さんの優しさも、蔵めぐりを続けられた秘訣なのだそう。自身のことを「実はタフで体育会系なんです」とさらりと話す岩木さんですが、噌蔵探訪の裏側にあるド根性エピソードにるーはびっくり! いつも穏やかな岩木さんに、こんな一面があったなんて……!?
これまでに岩木さんが訪ねた味噌蔵は全国100カ所以上。そこで出会ったのは、日本で唯一の木桶仕込みの白味噌、自家酵母によるフルーティーな味噌、高さ2mを超える巨大な木桶で3年熟成させた味噌など、蔵ごとに全く違う個性豊かな味噌の数々でした。造り方や味わいがさまざまな味噌蔵を知れば知るほど、味噌たちを生み出す造り手さんの人柄にもほれ込んでいった岩木さん。味噌の魅力を広めるためにも “どんな人がどんなふうに造っているのか”を多くの人に知ってほしかったと話してくれました。なるほど~。だから『にっぽん味噌蔵めぐり』には造り手さんとのすてきな出会いや素顔を紹介するエピソードがたくさん綴られているんだね。
続いて、麹の種類、味噌の色や味の違いなどを学ぶ基礎講座の時間。お待ちかねのテイスティングタイムです。用意されたのは甘口味噌と白味噌の2種類。夏にぴったりな冷たい味噌汁や、白味噌を使った梅味噌や柚子胡椒味噌も配られました。
岩木さんによると、原料の違いだけでなく造り手の性格が味噌の味に表れているそうで、会場の皆さんは味噌の一つひとつを慎重に試食。「少し辛め?」「とってもマイルド!」……それぞれの感想が聞こえてくる中、皆さんが一様に驚いていたのは、味噌アレンジの自由さ。冷たい味噌汁にレモンを入れれば、さわやかなスープに味変。さらに白味噌は混ぜるものによって彩りが加わり、味のバリエーションも広がります。
中でも著書でも紹介しているグリーンカレーは岩木さんのイチオシ。ココナッツミルクなしでも白味噌でコクのある味わいになるのだそう。和だけでなく洋やエスニックにも使えるだなんて、味噌って面白い! 料理家としての顔を持つ岩木さんのアイデアに、るーも興味津々です。
最後に、年々数を減らしていく味噌蔵の厳しい現状にもふれた岩木さん。「この本が造り手さんと皆さんをつなぐきっかけになったらうれしいです」と、著書に込めた思いを伝えてイベントを締めくくりました。
岩木さん、今日は暑い季節にぴったりな味噌のレシピや使い方をたくさん教えてくれてありがとう。この夏の食卓をおいしい味噌料理でいっぱいにして、猛暑を乗り切るぞ!(おわり)
【岩木みさきのみそ探訪記】
https://misotan.jp/
定価2200円(税込)
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日本の伝統調味料である味噌に魅せられ、全国各地の味噌蔵を探訪している料理研究家が、これまでに訪れた100カ所以上の中から厳選した50蔵を紹介。自ら足を運んだからこそ見えてきた造り手の素顔と多彩で味わい深い味噌の魅力をひもとく一冊です。各蔵のおすすめ味噌のほか、味噌蔵めぐりがもっと楽しくなるバラエティー豊かなレシピも収録! ぜひ味噌選びの参考にしてください。
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