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食べるしあわせ
なっとう娘と行く! 新たな世界 納豆インフルエンサー
鈴木真由子
最終回 納豆は世界を救う!?
 第4回で紹介した「ヴィーガン納豆チョコレート」の開発に加え、納豆パスタが食べられる店のガイドブック本も制作中という鈴木さん。常に新しい取り組みに挑戦している姿が印象的ですが、彼女が目指す先にはさらに大きな夢がありました。

――活動の幅を少しずつ広げている鈴木さん、今後チャレンジしてみたいことはありますか?

 「全国納豆フェス」の開催です。開催地は納豆の名産地、茨城県の水戸に決めています。入り口で白いご飯が渡されて、それを片手に全国の納豆を堪能しつつ、会場には納豆好きのアーティストによるライブも楽しめるという構想です。「みんな粘ってるかーー!!」という感じで、納豆愛を前面に押し出して盛り上がりたいですね。
 いずれは、こうしたフェスをチャリティーイベントの一環で開催したいと思っています。

――おいしく食べて、さらに人に役立つ納豆とは画期的です。

 実は、大学の講義でシリア難民の方と直接交流する機会があり、彼らやその家族が経験してきた厳しい現実に強い衝撃を受けました。祖国が大変な状況に置かれる中、私と同年代の若者たちが「捕まったら処刑されるかもしれない」と語ったり、講義の途中に電話がかかってきて「親戚が亡くなってしまった」という話をしていたり。日本で平和に大学生活を送っている私は本当にこの世で起こっていることなのか信じられず、講義中にもかかわらず号泣してしまいました。
 彼らが直面している問題は、私の想像をはるかに超えた過酷な現実です。しかし私自身、幼少期に体毛が濃いことでからかわれ、昆虫やウルトラマンが好きで「男の子みたい」と指摘されることが多かった。疎外感を覚えた自分の生い立ちが、自国を離れて孤立する悲しい境遇と少なからず重なる部分があったのです。
 「一つ願いが叶うなら何がしたいか?」と尋ねると、「祖国を再建して、みんなが幸せになれる国にしたい」と言った彼らの答えが今も忘れられません。

海外でボランティア活動も経験

 その後、海外でのボランティア活動や、貧困地域でのホームステイなども経験していく中で、自分の無力さも痛感する一方、私にも何かできることがあるのではないかと考えるようになりました。そんな漠然とした将来の入り口にあったのが、納豆。誰にとっても身近な納豆なら「買ってみよう」「参加してみよう」と思ってもらえるはず。社会に還元できる取り組みができるのではないか……。
 とはいっても、なっとう娘としてまだ走り始めたばかり。いつかは、「社会課題に食の切り口で取り組んでみたい」という人をサポートするような会社が作れるまでになりたいです。そんな大きな展望を描きながら奮闘中です。
 

(写真:編集部)

――今まさに夢への第一歩を踏み出したといったところ。納豆が鈴木さんの人生に大きな影響を与えたのですね。

 自分の世界が広がったと思います。今まで出会わなかったような人に出会えて、貴重な経験をさせてもらっているのがすごくありがたいですね。この活動をしていなかったら縁がなかったような場所にも足を運ぶことができました。納豆がいろいろな世界へ連れていってくれている気がします。私の納豆人生はこれからも続きます。(おわり)

 「納豆は世界を救うと本気で思っています!」と熱く語ってくれた鈴木さんの、納豆愛にあふれるインタビューいかがだったでしょうか? 納豆から将来を見据える鈴木さんの情熱にふれると、納豆が持つ底知れぬ可能性とパワーを感じざるをえません。豆の種類や粘り、匂いにも多様な個性と魅力を放つ納豆。かき混ぜる回数にもこれまで以上に気合が入りそうです。

(構成:寺崎靖子、写真提供:鈴木真由子) 

【Instagram・なっとうむすめ】https://www.instagram.com/natto_musume/
【WEBサイト・NATTO musume】https://nattomusume.theshop.jp/ 
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【すずき・まゆこ】
大好きな納豆を軸に、納豆インフルエンサーとしてフリーランスで活動。WEB連載コラム執筆のほか、飲食店とのコラボイベント、メニュー開発、納豆会社との商品企画にも携わる。NHKの番組『沼にハマって聞いてみた』や、訪日外国人向けメディア『MATCHA』に取材を受けるなど、メディアにも多数取り上げられている。
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