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TOKYO偉人さんぽ
イラストレーター(文と貼り絵)
きりたにかほり
第4回 伊能忠敬

都営大江戸線、門前仲町駅の地上3番出口へ向かう途中で
目に入って来たのは、たのしそうな地図。

永代通り周辺のお店の多さに、
散歩への期待がふくらみます。

「伊能さんの住居跡は左側みたいですよ。」
地図の前でたたずむ編集さんに声をかけられました。

伊能忠敬は、江戸時代の人。
地球一周分歩き、日本地図を作った偉人として知られています。
隠居後に上京した忠敬は
55歳のとき初めて何度も測量の旅へでかけましたが、
初回を含め8度の出発前、
旅の無事を願って富岡八幡宮へ参ったそうです。

今回はそんな忠敬に倣い、
わたしたちも同じように住居跡から神社まで歩いてみる作戦でしたが
曲がり角の八百屋さんに栗が並んでいたので
早速うっかり裏道に入ってしまいました。

すると、目線の先に「まちあるき案内所」の文字が。
ここはぜひご案内をお願いすべく、レトロモダンな建物の中へ。

「ここまでどうやって行けばいいですか?」

地図を指して忠敬住居跡までの道を尋ねると、
「ああ、ひっそりしてますからね。
この道を信号渡らず左折すればすぐですよ。」

親切なご案内のおかげで
電柱に添うような碑をすぐに発見できました。


きびすを返し、頭上高くうねる首都高速を目星に、
富岡八幡宮の方へ、いざ出発。

「晴れてよかったですねー。」

折しもこの日は台風一過の取材日和。
天文学を学んだ忠敬も空を見上げ、星を数え、
旅をしていたのだろうなと、おもしろくなりました。


途中、5階建てのスーパーマーケット裏の細い道に
飲み屋の看板が実るように並んでいました。
「モツ焼90円」「生ビール250円」
秋の夜長はにぎやかそうです。


目的地の前に、立ち寄ったのは深川不動堂。
なにやら建設中の新本堂の方が気になるも、旧本堂へご挨拶。
手前に記されたお参りの言葉を心のなかで繰り返すうち
にわかに無心になれました。


来た道を戻って、あらためて富岡八幡宮へ。
本殿を訪れると、
中から透くような笛の音が聞こえました。

「鯉がいる!」

広い境内でみつけた池には、たくさんの鯉。
そこに立っているだけで集まってくれるので、
気分はアイドルです。

水しぶきの歓声を受けながら、
池に架かる小さな橋を渡り、
向こう岸のお宮で、おみくじタイム。
にやにやし終えた恋みくじをその場に結んで、
まだ盛り上がる赤いファンの元を去りました。

鳥居のそばには高さ2メートルほどの忠敬の銅像。
白く丸い猫が遊びにきていました。
ポーズを変えて転がる猫に
今度はカメラマンのつもりで、シャッターを切ります。


うきうきしながら永代通りへ出てお買い物。
まずは参道入り口の和菓子屋さんで豆大福をひとつ。
もう少し進んだ佃煮屋さんで
漆塗りの器からあさりの佃煮を100グラム。
「他のはいいですか」
「はい、結構です」
「ありがとうございましたー」
カウンター越し、
ちいさなおばあさんから
ずっしりした紙包みをうけとって、
また参道へ。
まだ新しそうなカフェや、酒屋さんもありました。

再び訪れた八幡宮で、まだ転がっていた猫をからかって
夕闇の門前仲町をあとにしました。


帰り道には
憧れのおやつ、白玉クリームあんみつも。


くねくね歩いたので
寄り道の多い貼り絵になりそうです。


















※きりたにさんのホームページ「たいようのみやこ」
http://taiyonomiyako.com/index.html
※きりたにさんの連載エッセイ「TOKYO銀座めぐり」
http://www.tokaiedu.co.jp/kamome/contents_i201.html
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【きりたに・かほり】
1984年秋田県生まれの香川県育ち。熊本県立大学卒業後に上京し、都内制作会社にデザイナーとして勤務。現在は「世界をあたためたい」と絵を描き、関東を中心にイラストの制作や似顔絵屋さんなど行っている。
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